A Tribute to ELLIOTT CARTER


 エリオット・カーター氏は2012年2月22日、ニューヨークのカーネギーホール・リサイタルホールでの私のAll Carter Recitalに、実に思いがけず姿を現した。
 この年のニューヨークの冬は異例な暖かさで、この日も気温は15度を上回り、ニューヨーカーたちは半袖で街を歩き回っていた。カーター氏も白いシャツにウールのジャケットといういでたちであった。
 溢れるような笑顔で客席から拍手を送ってくださり、演奏後は立ち上がり、観衆の敬意に手を振って応えられた。
 私は思わずステージから客席に駆け寄って、初対面の大作曲家と抱擁を交わした。

 私はこの数年、彼の音楽に引き寄せられるように近づいていき、彼のピアノ作品の演奏会をニューヨークで開催した。
 そこに彼が姿を現した。
 これが彼の唱えた、お互いが共鳴し合う世の中なのかもしれないと、彼が亡くなった時に思った。
 

エリオット・カーターの生涯を巡るピアノ作品 I
II
III
IV

V

エリオット・カーター Elliott Carter (1908-2012)
初期:ピアノソナタ Piano Sonata (1945-46)
中期:ナイトファンタジー Night Fantasies (1980)
後期:2つのダイヴァージョン Two Diversions (1999)
   カテナリー Caténaires (2006)

結びに代えて
 


エリオット・カーターと「音楽の流れ」
 

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